「仕事において、中心に置くべきはお客さん。」
「中心に自分を置いて良いのはプライベートだけ。」
この事を、口を酸っぱくして何度何度も教えられた。
社内でも何度も何度も伝えてきている。(つもりだった)
「納期が間に合わないので、更に裏から手を回して圧力を掛けようと思うが、どう思う?」と、今朝スタッフからのTEL。
「これ迄に幾度となく圧力を掛け、それでも納期を守らない工場に、”さらなる圧力”を掛けて解決する?」
「間に合わないんだから、やるしかない・・・。」
「では出口の無い話を軸に、お客さんにはただ待っていてもらうの? このことは相手から見て、最善を尽くしていることになる?」
「・・・」
苦労してオペレーションしている自分が悲劇的主役になってしまっていないだろうか?
お客さんは、そんな苦労している彼にエールを贈ってくれるだろうか?
そんたことは、あり得ない。
自分と工場間においてのみ、強い商売感を出すものの、最も大切なお客さんが置き去りになっている。
お客さんが欲しているのは、何ヶ月も前に担当者を信じ交わした契約の品が正しく納品されることだけ。
それらが出来上がってくる迄の果てしないSTORYなぞ欲していないのだ。
では何故このようなことになってしまっているのか?
「何度も伝えた」気になっていただけ。
その実、何も伝わっていなかった。
自分自身が悪いのだ。
「工場のせいだけにすんなッ!」と言いつつ、スタッフのせいにしようとしている自分に気づく。
これでは駄目だな、と底知れぬ無力感を感じた。